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2012-08-17

恋よ恋(12)

 がらばりびしゃああんんん!!!
 「にゃあああああ!!」
 天地を引き裂く閃光と爆音に一拍ほども遅れず、奇態な悲鳴が上がった。
 「かぐほー」
 眉尻を下げた英がわたわた手を差し伸べる先には、頭を抱えて草の上に蹲ってしまった姉児の姿がある。
 「ありゃ」
 来尾が少し目を丸め、じきにへらりと笑った。
 「なんだ、嬢ちゃんは雷が苦手か。かわいいとこあんじゃん」
 花仙が、姉の頭を抱きかかえている弟の頭を撫で、二人を引き離した。香穂をそっと抱き上げ、しがみついて来る背中を軽く叩く。
 「以前、ちょっとな…まあ、とらうまとかいうヤツだ」
 「ふん?」
 「華恭苑に見知りの煌雷熾龍が来たことがあってな。はしゃいだ英に苛立った龍が落とした雷が、香穂のすぐ目の前に落ちた」
 「お前の知り合いって突拍子もねーの。つーか、香穂ってマジ巻き込まれ体質な。父ちゃんの血かねー。そんでも懲りないとこは、母ちゃん譲りの鳥頭ってか」
 「やかましい」
 あははと笑う怪魔がげっしと殴り飛ばされたところで、
 「お、いたいた」
 軽やかな声がした。
 蕾がやわらかく振り返る。
 「透」
 「よ、久しぶり。夕姫に来てるって聞いてさ。けどなかなか家の方来ねえから様子見に来た」
 今や独り立ちの本草家となった青年は、ひらりと姉弟を指す。かつてよりも少し背が伸び、線も太くなった。けれど日焼けした顔に浮かぶ、悪童めいた笑顔はずっと変わらない。
 「ああ…すまん、少し話をしていてな」
 「なんだよ、俺は仲間外れかよー」
 言う割にはこだわりなく笑い、透は花仙に近づいて来る。
 眩しいように目を細めた蕾の腕の中で、幼仙がもぞりと身じろいだ。大きな目をいっぱいに瞠って振り返る先で笑っている人物を見つけると同時に、手が伸びて来て彼女に触れる。
 「お前の子供たちだよな。こっちはー、姉ちゃんの方か」
 「ああ」
 簡単に頷いて、蕾はあっさり透の手にわが子を託す。ひょいと抱き移された香穂はびっくり目になったが、はっと我に返ってごしごし目もとを擦る。
 「初めまして、透どのですね。わたしは」
 きりりと自己紹介を始めたのだが、相手は全部聞かないうちに彼女の頭をかいぐり撫でた。
 「香穂だろ。どした、母ちゃんに叱られたのか?」
 「え、いえ…」
 せっかく涙を拭いたのに台無しにされ、幼仙は複雑な顔をする。その母も同様だった。
 「濡れ衣だ。いや、確かに叱るべきことがらはあるが…今は、雷に驚いてな」
 「なんだ、雷嫌いか」
 先刻の怪魔と同じ内容だが、今度は本人に質問が向けられた。ううと唸る幼児に、青年はからり笑って見せる。
 「まー誰でも苦手なモンくらいあるよな」
 空に投げる視線の先、勢いを増し流れる黒雲の合間に再び細い光が閃いた。ひくりと身を強張らせる香穂の様子を見て、透は宥めるように笑う。
 「よしよし、家ん中入ろうな。寄ってくだろ蕾、お前だって雨ん中を二人抱えて帰るのしんどいだろうし」
 「ああ…しばし世話になる」
 蕾はほのかに笑む。ほんの一瞬怪魔と絡ませた視線は、どうやら透には気付かれずに済んだようだった。







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 なんか…英が空気になりがち;


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まとめ【恋よ恋(12)】

 がらばりびしゃああんんん!!! 「にゃあああああ!!」 天地を引き裂く閃光と爆音に一拍ほども遅れ

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